「算数のセンスがない」と言われた子が伸びる理由
5年生の秋、割合・比・速さが重なって点数が伸びなくなると、「うちの子は算数のセンスがないのでは」と不安になります。図を一つ描いてすぐ解く友だちと比べたり、解説のきれいな解き方を思いつけないことに悩んだり。でも、何行もかけて正解にたどり着いたことは、センスがない証拠ではありません。
センスとは別の力「馬力」
きれいな解き方を思いつけなくても、計算を重ねて答えまで押し切る力があります。私の先輩講師は、これを「馬力」と呼んでいました。
たとえば途中で357÷42や、528分の21のような見慣れない数が出ると、多くの子は手を止めたり、まちがえたと思って消したりします。馬力のある子は止まりません。357÷42=8.5、528分の21は3で約分して176分の7、と進めていきます。合格をつかむ子には、こうした粘り強さを持つ子が多いと感じています。
遠回りが後で効いてくる
等差数列の150番目を求める公式を忘れて、150個の数を一つずつ書き出した子がいたとします。効率は悪くても、数の増え方を体で感じています。そのあとで公式を教わると、「書き出しを短くしたものだ」と腑に落ちます。自分の手でつくった道筋は、記憶に残ります。遠回りの答案は、理解の土台をつくっている途中の姿です。
馬力を育てる3つの工夫
遠回りの正解をまず認める
きれいな解き方を教えるのは、正解を認めたあとで十分です。
手が止まったら書き出す
白紙のままにしないことです。速さの問題なら1分ごとの位置を書き出す、割合の問題なら全体を100や60のようなきりのいい数に置く、図を大きく描き直す。
行きたい理由を具体的な言葉にする
「あの学校に行きたい」より、「この部活に入りたい」「こんなことを学びたい」と思い描ける子は、難しい問題でも粘れます。この思いは本人のもので、大人が代わりに持つことはできません。
ご家庭でできること
- 丸つけでは、まず答えまでたどり着いたかを見ます。遠回りでも、答えが出ていれば丸をつけます
- 週に一度、遠回りで解けた問題を一つ選び、「もっと短い方法はあるかな」と一緒に解説を読みます。遠回りのあとだからこそ、近道のありがたみが伝わります
- 学校説明会や文化祭のあとに、「どこが楽しそうだった?」「そこで何をしてみたい?」と話してみます
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この記事は、noteに書いた記事をもとにまとめ直したものです。
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