中学受験の5年生がやるべきこと
6年生の秋になると、「全部は無理なので、範囲を絞りたい」というご相談が増えます。でも、範囲を絞る作戦はかなりの賭けです。いちばん良いのは、絞らずに済むように5年生のうちに準備しておくことです。このページでは、5年生がやるべきことを3つにまとめました。
「範囲を絞りたい」という相談が多い理由
6年生の秋の面談では、「算数の勉強が足りていないのはわかっている。でも、4教科すべてに時間をかけるのは無理。だから、出そうなところだけに絞りたい」という声をよく聞きます。
気持ちはよくわかります。ただ、範囲を絞るのは危険です。学校は、受験生が手薄になりやすいところをあえて出すことがあるからです。
「絞って逆転合格した」という話を聞くこともあります。でも、表に出てくるのはうまくいった話だけです。うまくいかなかった人の声は、なかなか聞こえてきません。どうしても絞るなら、残した範囲は何があってもやり切る覚悟がいります。そうならないために、5年生のうちに準備を始めておきたいのです。
なぜ6年生からの本気では間に合わないのか
高校受験を経験した保護者の方は、「最後の1年でがんばれば何とかなる」と考えがちです。高校受験は、学校の勉強を積み上げれば合格に届くことが多いからです。
中学受験はちがいます。小学校の勉強だけでは合格できません。入試で問われるのは、塾のカリキュラムで学ぶ内容です。そして塾の授業は、5年生のうちに入試範囲のほとんどを進めてしまいます。つまり、塾の授業についていくこと自体が、中学受験の大きな目標なのです。
5年生がやるべき3つのこと
1. 「このままで大丈夫」な教科を2つ作る
6年生の追い込みは、本来1〜2教科に時間を集中させるものです。4教科すべてを同時に追い込もうとすると、どの教科にも十分な時間をかけられません。5年生のうちに、少なくとも2教科は「このままで大丈夫」と思える状態に近づけておきましょう。安心できる教科が2つあるだけで、6年生にゆとりが生まれます。
2. 塾の授業についていくことを「目標」にする
塾の授業は、ついていくだけでも大変です。「最低ライン」ではなく「目標」と考えて、わかっているかを毎週確かめましょう。特に算数は、5年生の後半に割合・比・速さが続きます。ここでつまずくと、6年生で解く問題の多くに影響が出ます。「わかったつもり」で終わらせず、自分の力で解けるところまで持っていくことが大切です(速さと比の教え方)。
3. 「完璧にできないから、やらない」をやめる
まじめな保護者の方ほど、「全部できないなら意味がない」と考えてしまいがちです。でも、受験勉強は0か100かではありません。できた分だけ、前に進んでいます。できないからやらないのではなく、少しでも追いつくためにやる。お子さんが弱気になったときこそ、保護者の方が先にあきらめず、「一緒に最後までやろう」と支えてあげてください。
ご家庭での進め方
- 4教科の「安心度」を親子で紙に書き出す。「このまま続けられそう」「少し不安」「かなり不安」に分けます。テストの点だけでなく、授業がわかっているか、宿題が回っているかも見てください。
- 6年生までに仕上げたい2教科を決める。そして、その2教科に1週間で実際にどれだけ時間を使えているか確かめます。思ったより少ないことが多いので、ほかの予定を調整してでも時間を確保しましょう。
- 「全部はできない」と感じたら、範囲を削る前に量を小さく区切る。たとえば「今週の算数の復習は、テストで間違えた問題だけ」「今日は3問だけ」で大丈夫です。小さくても止めずに続けることが、いちばんの力になります。
6年生になってからの志望校別の対策については、算数の志望校対策(一般入試)にまとめています。
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この記事は、noteに書いた記事をもとにまとめ直したものです。
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