元八塾の授業のやり方
このページは、元八塾の授業の「取扱説明書」です。お子さんが1週間をどう過ごし、授業で何が起きて、ご家庭に何が届くのか。入塾した日からの毎週を、できるだけ具体的に思い浮かべられるように書きました。後半には、なぜそのやり方なのかという考え方もまとめています。
頭を使い続ける、実戦形式の授業
元八塾の授業は、お子さんが60分間ずっと頭を使い続ける授業です。説明を聞いているだけの時間をつくらず、問いかけられ、考え、自分の手で解き、本番と同じ形で試す。そのための7つの特徴です。たとえばつるかめ算なら、こんな図で考えます(このページの後半に、同じ問題の授業の一場面を4コマで載せています)。
実戦形式で解かせる
解き方を聞いて「わかった」で終わりにしません。確認テストも演習も、入試やテストと同じように、自分の力だけで解く形で行います。本番で点を取る力は、本番と同じ形でしか鍛えられないからです。
図をたくさん使う
文章や式だけで説明すると、算数が苦手な子はついてこられません。面積図・線分図・表・樹形図など、問題に合った図を描いて、目で見てわかる形にしてから式にします。図を自分で描けるようになることも、授業の目標の一つです。
問題をたくさん解かせる
先生が説明している時間は、お子さんにとっては「聞いているだけ」の時間です。元八塾では説明を短くし、例題→類題→数字を変えた問題と、自分の手で解く問題の数を増やします。算数のひらめきは、大量の反復の中からしか生まれないと考えているからです。
質問をたくさんする
授業中は、こちらからどんどん質問します。「次はどうする?」「なぜこの線を引いた?」と聞かれ続けると、子どもは聞き流せません。答えようとして頭を動かし続けるので、集中が最後まで切れず、その場で覚えられます。
ペンタブレットで書きながら説明する
ペンタブレットを使い、図や式をその場で書きながら説明します。できあがった図を見せるのではなく、図ができていく順番を見せるので、お子さんが自分で描くときの手本になります。
徹底したテスト対策
組分けテスト・アタックテスト・公開模試など、通っている塾のテストの範囲から逆算して準備します。テストの前には、出そうな問題を集めた予想問題で本番の形に慣れさせ、得点源にする問題と捨てる問題を先に決めておきます。テストが返ってきたら、まちがえた問題から弱点を洗い出し、弱点補強のプリントで穴を埋めます。
毎週、次の授業とプリントを作る
決まったテキストを順番に進めるだけの授業はしません。その週の確認テスト・宿題・授業中の様子をふまえて、次の授業の組み立てと、使うプリントを毎回作ります。
1週間の流れ(例:授業が月曜日の場合)
| いつ | お子さんがすること | 塾長がすること |
|---|---|---|
| 月曜(授業) | 60分の授業。確認テスト→新しい単元→宿題の説明 | 確認テストでつまずきを見つけ、新しい単元を教え、次の宿題を仕分けて渡す |
| 火曜〜水曜 | 宿題の1回目。自分で丸つけ(赤) | — |
| 木曜〜金曜 | 1回目でまちがえた問題を、もう一度解く(青で丸つけ) | — |
| 土曜〜日曜 | 解いた宿題を写真で送る(オンラインの場合) | 答案と授業の様子から、次の授業の組み立てとプリントを作る |
| 次の月曜 | 授業 | 洗い出したつまずきから授業を始める |
同じ問題を「3日ほどあけて2回」解くのが基本です。答案を見て気になったことがあれば、その週のうちにご家庭へお伝えします。
1回の授業(60分)の進め方
STEP 1 確認テスト(10〜15分)
前回の授業でやった内容を、小テストで確かめます。解けなかった問題は、どこで手が止まったかを見て、止まった一行の手前から説明し直します。
STEP 2 新しい単元の説明と演習(40分前後)
授業のいちばん長い時間です。ペンタブレットで図を描きながら説明し、質問をたくさん投げかけます。説明を聞く時間より、お子さんが自分の手で問題を解く時間を長くとります。例題を1問解いたらすぐに似た問題を1問。答えは教えず、問いかけとヒントを一段ずつ出し、最後の一歩はお子さん自身が踏みます。「わかった」を、その場で「できた」に変えます。
STEP 3 宿題を渡して説明(5〜10分)
次の授業までにやる問題と、そのやり方を伝えます。塾の宿題があれば「必ずやる問題」と「今は飛ばす問題」に仕分けます。元八塾のオリジナルプリントは、その子のつまずきと志望校の出題に合わせて作ります。
時間は目安です。確認テストの結果によって、新しい単元に進む前に解き直しの時間を増やすこともあります。
授業の一場面(例:つるかめ算でつまずいた子)
問題:つるとかめが合わせて10匹、足は合わせて28本。かめは何匹?
答えは言いません。ヒントを一段ずつ出して、最後の一歩はお子さん自身が踏みます。
一言で全体像
「この問題は、全部同じだったらと考えて、ずれを直す問題だよ」。最初に、何をする問題かを一言で伝えます。
ヒント1
「もし全部つるだったら、足は何本になる?」――ここで本人が計算します。
ヒント2
「本当の足の数と、何本ちがう?」――まだ答えは言いません。
ヒント3
「1匹をかめに替えると、足は何本増える?」――ここまで来ると、ほとんどの子が自分で答えにたどり着きます。
解けたら、数字だけ変えた類題をすぐに1問。ここでヒントなしに解ければ、その日のゴールです。解けなければ、どのヒントで止まったかを記録して、次の宿題に反映します。
宿題と丸つけのルール
「できた」は、手が止まらずにサラサラ解けたとき
1問1〜3分が目安ですが、本当の基準は時間ではありません。最初から最後まで手が止まらず、よどみなく解けたかどうかです。
丸つけは赤と青で分ける
1回目の丸つけは赤、2回目以降と、答えを写して直した問題は青で丸つけします。答えを写すのはかまいません。ただし写したところがスタートラインで、青丸の問題は解き方が身につくまで繰り返します。
まちがえた答えは消さない
まちがえた答えは消しゴムで消さず、線を引いて残します。どこでまちがえたかが、次の授業のいちばんの材料になるからです。
同じプリントは、順番を変えて解く
何度も繰り返すときは、解く順番を入れ替えます。ページの位置で答えを覚えてしまう子には、問題を切り貼りして順番を変えます。
ノートは二段階で作る
授業中は、板書をコピー機のように全部写し、先生が口で言ったことや大事だと思ったことをメモで書き足します。家で復習するときに、自分の言葉で書き直します。
手が止まったときのルール
待つ時間は問題で変える
復習した問題や似た問題は、1〜3分で解けなければまだ身についていません。初めて見る問題は、5分考えて手がまったく動かなければ解答を見てかまいません。手が動いている難問は、20分かけてもいい問題です。
「わからない」は3つに分ける
問題文の意味がわからないなら、もう一度自分で読めば解決します。ろくに読まずに「わからない」と言うのは、ただの怠けです。じっくり考えても手が進まないなら、その問題はまだ早いということです。
問題文の意味は、説明しない
問題文の意味を聞かれても、基本的に説明しません。「何回でも読んでごらん。必ずわかるから」と読ませます。大人が説明してくれないとわかると、子どもは自分で問題を読めるようになります。
入塾から入試までの流れ
1. 無料相談
直近の答案(模試・テスト・過去問)を見ながらお話しします。LINEで写真を送っていただくだけでもかまいません。
2. 失点の型を特定する
落とした問題を「難しい問題が解けない」「解くのが遅い」「まちがえるのがこわい」のどれに当たるか分けます。直す場所は、型によってまったく違います。
3. 志望校から逆算する
志望校の過去問を分析し、取る問題と捨てる問題、よく出る単元を先に決めます。
4. 毎週の授業
上の「1週間の流れ」をくり返しながら、標準レベルの問題を大量に反復して土台を固めます。
5. 過去問と仕上げ
過去問は解きっぱなしにせず、まちがえた問題を仕分けて解き直します。志望校に合わせたオリジナルプリントで、よく出る形を集中して仕上げます。
担当は途中で替わりません。同じ講師が、入試の日まで見つづけます。
ご家庭に届くもの・保護者との面談
- 志望校とつまずきに合わせたオリジナルプリント
- 塾長が書いた解答解説(市販の解説どおりではなく、その子がつまずいた所から説明したもの)
- 塾の宿題の仕分け(必ずやる問題・今は飛ばす問題)
- 答案を見て気になったことの連絡(その週のうちに)
- 保護者とのまめな面談(決まった時期を待たず、必要なときに回数に関係なく。授業の様子と、次にやることをお伝えします)
ここからは「なぜこのやり方なのか」
上のやり方には、すべて理由があります。考え方の土台を知っておいていただくと、ご家庭での声かけがぶれません。
授業の土台は、師匠から受け継いだ教え
私は中学受験を経験していません。算数も苦手でした。講師になってから、師匠の授業に聞き耳を立て、師匠が捨てたプリントをごみ箱から拾って分析し、教え方を身につけてきました。私の授業の土台は、その師匠の教えです。
教えすぎない
講師になったばかりのころ、師匠に「君の授業は、教えすぎだ」と言われました。先生が全部説明すると、子どもは聞いているだけになります。ヒントを少しずつ出し、最後の一歩は子ども自身に踏ませます。
一言で全体像が見える説明をする
細かい手順から入らず、まず「この問題は何をする問題か」を一言で伝えます。全体像が見えてから細部に入るので、途中で迷子になりません。
解答解説どおりに教えない
市販の解説は、解ける人が書いた最短の説明です。つまずいた子には、つまずいた一行の手前から、納得できる順番で説明し直します。必要なら、その子のための解答解説を自分で作って渡します。
まず真似る、それから自分のやり方へ
勉強は「わかる→できる」の順番だと思われがちですが、私は逆だと考えています。まず先生の解き方を真似して「できる」ようになり、解いているうちに「わかる」。わかったらアレンジでき、やがて応用や全体を見渡すことができるようになります。武道でいう守破離です。
授業中は先生の解き方を真似る
授業中は、自分のやり方にこだわらず先生の解き方で解きます。「自分のほうが良い解き方がある」と思ったら、それは授業のあとで考えればいい。偏差値40〜55くらいで基礎がまだ固まっていない子は、先生の解き方を完全にコピーします。偏差値65を超えて基礎ができたら、自分の好きなやり方で解いてかまいません。
解き方は丸暗記してよい、計算式の丸暗記はだめ
解き方の手順は覚えてかまいません。ただし、意味のわからない計算式をそのまま覚えている子には「どうしてこうなるの?」と確かめます。
ひらめきは、大量の反復から生まれる
算数のひらめきや気づきは、大量の反復の中からしか生まれません。
標準問題が初見で解けないのは「量」の問題
標準レベル(B問題)が初見で解けないのは、勉強のしかたではなく量が足りないからです。その根っこには、基本問題(A問題)の定着不足があります。単元を混ぜてランダムに出したとき、見た瞬間に解けるかどうかで確かめます。
B問題を大量に反復する
対策は、標準レベルの問題だけを大量に反復することです。B問題がすらすら解けるようになったときには、難問(C問題)は「捨て問」ではなくなっています。
うっかりミスは、気をつけるだけでは直らない
「気をつければ次は解ける」と思うようなミスをする子は、気をつけるだけではミスをし続けます。ミスは仕方ないと思っている、テストでのミスの怖さを知らない、という意識の問題だからです。実力不足と違って、練習量だけでは直りません。元八塾では、まず本人の意識を変える話から始めます。
志望校対策とオリジナルプリント
よく出る単元も、問題の形も、時間の使い方も、学校ごとに違います。元八塾では志望校の過去問を学校別に分析し、取る問題と捨てる問題を先に決めます。そのうえで、志望校の出題とその子の弱点に合わせたオリジナルプリントを作り、よく出る形を集中して仕上げます。
ご家庭へのお願い
家庭学習は毎日、時間を決めて
いちばん大事なのは、毎日必ずやることです。「空いた時間にやる」はうまくいきません。まず「この時間に30分」と短くても時間を決めて型を作り、慣れたら1時間、1時間半と伸ばします。外出の日や体調が悪い日も、ゼロの日はつくらないでください。
ほめると叱るは「2対1」
1回叱ったら2回ほめるくらいで、ちょうどいいバランスになります。大人はどうしても子どもの悪いところに目が行くからです。
厳しい役は先生に任せてください
家庭では、先生が厳しい役、ご家庭がやさしい役を受け持つのがうまくいきます。お子さんを叱りにくいときは、「先生に言うよ」と私を悪役に使ってください。
親が教えるのは、小4までに
ご家庭で算数を教えるなら、小学4年生までにしてください。親の教え方はくせになり、あとから教える先生はその延長線上で教えることになります。プロに任せるのは、早いほどよいと考えています。
ご相談
授業のやり方が合いそうだと思ったら、まずは気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。直近の答案(模試・テスト・過去問)があれば、それをもとにお話しします。